自分に合った職業って何だろう……?
このような悩みを抱いている人は、決して少なくありません。
自分に合った職業を知ると、就職活動がスムーズになります。
この記事では、自分に合った職業の見つけ方や自己分析法のほか、見つける際の注意点について解説します。
自分に合った職業とは何か?
次の5つが、自分に合った職業を見つける上でベースとなります。
- 自分のスキルや才能を活かせる
- やっていて楽しいと感じられる
- 困難なことがあっても耐えられる
- ライフスタイルに合った働き方ができる
- 給与やボーナスなどに満足できる
これら5つすべてに該当する職業を見つけるのは難しいので、2〜3つ該当していれば自分に合った職業とみなして良いでしょう。
5つの中で、どれを重視するかはその人の希望次第です。
1つずつしっかりチェックしてみてください。
1.自分のスキルや才能を活かせる
まず、自分のスキルや才能を活かせる仕事なのか、考えてみます。
- 前職や大学の専攻、バイトなどで培ったスキルを活かせるか
- 自分の強みや得意なことを発揮できるか
- 今までの様々な経験を活かせるか
どのようなスキルがあるのか分からないという方は、ハードスキルとソフトスキルに分けて考えてみると良いかもしれません。
ハードスキルとソフトスキルの具体例は、以下の通りです。
ハードスキル | ソフトスキル |
---|---|
前職で業務上身につけたスキル教育を受けて 得た技術や知識 | 仕事を進める上での個人の特性 |
語学力プログラミングExcel・WordマーケティングUI・UXデザイン | コミュニケーション能力リーダーシップ問題解決能力学習意欲共感力 |
上記のようにスキルを書き出してみると、自分に合った職業が何なのか分かってくるでしょう。
2.やっていて楽しいと感じられる
仕事における“楽しさ”を深掘りしてみます。
- 仕事そのものにやりがいを感じる
- 仕事で成果を出し上司や顧客から褒められ嬉しいと感じる
- 時間が経つのを忘れるほど取り組める
こういった思いを日常的に持てるのであれば、その仕事は自分に合った職業といえます。
ただし「やっていて楽しい仕事」に拘りすぎると、視野が狭まり仕事探しが難航するので注意が必要です。
3.困難なことがあっても耐えられる
困難なことがあっても耐えられる仕事なのか考えてみましょう。
- 他の人はストレスを感じる仕事でも、自分は性格的にあまりストレスを感じない(飛び込み営業、客先常駐など)
- 仕事でミスしてもミスの原因を追求し、次に活かせるだけのモチベーションがある
自分にとってストレスにならない仕事であれば、自分に合った職業といえます。
4.ライフスタイルに合った働き方ができる
ライフスタイルに合った働き方ができるかどうか、仕事とプライベートの時間を関連付けて考えてみましょう。
以下に、ライフスタイルに合った働き方の一例を挙げます。
趣味に時間を費やしたい残業が少ない仕事育児と両立したいテレワークができる仕事旅行が趣味有給で長期休暇を取りやすい仕事
2022年に厚生労働省が公表した「労働経済の分析」では、ワークライフバランスの悪化が、転職活動を促進する可能性があると示唆されています。
そのため、入社前に以下の点を確認することがライフスタイルを整える上でも大切です。
- 勤務先との距離と時間
- フレックスタイム制などの柔軟な勤務体系
- 時間外勤務の有無
- テレワークなど、場所や時間の制約の少ない働き方
- 有給休暇の取得率
- 福利厚生制度の充実
5.給与やボーナスなどに満足できる
満足の行く給与額は人によって異なるので、自分に合った給与の企業を選ぶようにします。
給与やボーナスの金額など、以下の点に満足できるか検討してみましょう。
- 年収
- 月収
- 賞与
- 特別手当の有無
- インセンティブ制度の有無
国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与は、以下のようになっています。
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
平均給与 | 433万円 | 532万円 | 293万円 |
⇒内訳(平均給与・手当) | 369万円 | 449万円 | 254万円 |
⇒内訳(平均賞与) | 65万円 | 83万円 | 39万円 |
ただし、給与・ボーナスが高い企業は、労働時間ややりがいを犠牲にしなくてはいけない場合もある点を覚えておきましょう。
自分に合った職業を見つけた方が良い理由
自分に合っていなくても「とりあえず職に就きたい」「求人の中から探せばいい」と思う方もいるかもしれません。
そもそも、なぜ自分に合った職業を見つけた方が良いのでしょうか。
その理由は、以下の4つです。
- 早期退職を防げるため
- 自分の経験や強みを活かせるので評価が上がりやすいため
- 体調・精神共に不調が出る可能性を減らせるため
- 志望動機などの面接での回答に一貫性が出るため
1.早期退職を防げるため
自分に合った職業が見つかれば、入社後のミスマッチが少なくなり、早期退職を防げる可能性が上がります。
適職でない場合「自分に合う職業が他にあるはず」「仕事内容が自分には向いていない」などの思いから、早い段階で退職につながってしまうでしょう。
前職の在籍期間が短いと、採用してもすぐ辞めるのではないかといった懸念から、次の転職の難易度が上がるため、早期退職はできるだけ避けたいところです。
2.自分の経験や強みを活かせるので評価が上がりやすいため
自分の経験や強みが活かせると、業務内容を理解するスピードが速く、成果にも結びつきやすくなります。
また、創意工夫を凝らして働く余裕が生まれるため、認められる機会も多くなり、結果的に評価も上がります。
自分に合う会社・仕事とは何か、研究し続けよう
「自分にはどのような会社や職業が合っているのか?」
これは多くの社会人が悩む問題です。
中には「いくら考えたってわからない……」「試してみて次を探せば……」と考えてしまう人もいるでしょう。
新卒の数年のうちなら、ミスマッチがあってもある程度の軌道修正は可能です。
しかし闇雲に職歴を重ねてしまえば、十分なスキルが蓄積されず転職活動の難易度は上がります。
そうなると、キャリア形成の面では非常に遠回りとなってしまいます。
中には「あらゆる仕事を経て今のポジションにいる」という人もいますが、実際は非常に苦労するものです。
キャリア形成において確実なルートはありません。
しかしどんな時でも「自分自身の軸」は持っておくようにしましょう。
軸に沿って仕事を選べば、仮にミスマッチが起こった場合でも「どの判断基準がよくなかったのか」を振り返ることができ、次の仕事探しにも活かせるはずです。
3.体調・精神共に不調が出る可能性を減らせるため
自分に合った職業であれば、仕事に対するやりがいを感じやすく、ストレスを感じずに働くことができます。
何らかの問題が発生する状況においても、モチベーションを維持できるので、体調・精神共に不調が出る可能性を減らせるでしょう。
さらには、休職・退職のリスクもグッと低くなります。
4.志望動機などの面接での回答に一貫性が出るため
面接において、一貫性のある自己PRが重要です。
自分に合った職業が明確になっていないと、志望動機や長所・短所などに一貫性が出ません。
回答に一貫性がないと、面接官はその人の人間性を判断できないでしょう。
自分に合った職業であれば、面接において一貫性のある回答が可能になります。
自分に合った職業を見つけるポイント
自分に合った職業を見つけるには、具体的に何をしたら良いのでしょうか。
ここでは、自分に合った職業を見つけるポイントを5つ解説します。
- 適職診断ツールを使う
- 「何をやりたいか」だけでなく「何をやりたくないか」も考える
- 興味ある仕事について徹底的に調べる
- 就職セミナーなどのイベントに参加し視野を広げる
- エージェントに自己分析のアドバイスをもらう
1.適職診断ツールを使う
どんな職業が自分に合っているのかを知るには、適職診断ツールがおすすめです。
自分の価値観や希望の働き方などに沿って、11個の質問に答えるだけなので、ぜひ試してみてください。
なお、こちらの適職診断は「自己分析ツール」としても使うことが可能です。
2.「何をやりたいか」だけでなく「何をやりたくないか」も考える
「何をやりたいか」だけでなく、「何をやりたくないか」も合わせて考えるのが有効な手段です。
「やりたいこと」だけに目を向けると、いざ就職して雑務に追われるうちに「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうでしょう。
そもそも20代や既卒の場合、社会人になったばかりで経験が浅く、仕事において「やりたいこと」が分からないのも当然ともいえます。
ただ、やりたい仕事がすぐに見つからなくても、やりたくない仕事や避けたい条件はあるはずです。
それらをリストアップし、どうしてもやりたくないことを消去すれば、残った仕事は少なくとも「やってもいい仕事」になります。
やりたくない仕事を続けるのは苦痛ですが、やってもいい仕事であれば、困難なことも乗り換えやすく、仕事が長続きしやすいでしょう。
3.興味ある仕事について徹底的に調べる
興味ある仕事について、業界紙や新聞、動画などから徹底的に調べましょう。
その際には、以下の点も合わせて調べると、業界や業種の選択肢が広がります。
- どのような働き方があるか
- 実際にどんな人が働いているか
- 平均年収はどれくらいか
- 企業の概要や経営トップの考え方
SNSでは、様々な人が発信しているので活用してみるのもおすすめです。
4.就職セミナーなどのイベントに参加し視野を広げる
就職セミナーなどのイベントは、幅広い企業を一度に知ることができる機会であり、視野を広げられます。
就職セミナーの主な内容は、以下の通りです。
- 業界研究、企業研究のやり方
- エントリーシートの書き方
- グループディスカッションのやり方
- 自己分析のやり方
- 筆記試験対策
- 個別面接、集団面接などの対策
自分が知っている職種以外にも、今まで関心のなかった分野も知ることできます。
先入観で合わないと思っていた職種や業種が、意外と自分に合うかもといった気づきにつながるでしょう。
1.「好き」=「適性がある」とは限らない
職業を探すうえで「好き」というのは1つの条件であり、他の労働条件や必要なスキルなども合っていなければ「適性がある」とはいえません。
好きなことを仕事にしたとしても、実際には思い描いていたものと違う、苦痛になるといった声も聞かれます。
同じように考えれば、やりたいことや向き・不向きだけで仕事を決めると、失敗するリスクが高まるといえるでしょう。
「好きなこと」「したいこと」以外の仕事選びの軸を持とう
「自分が好きなこと」「やりたいと思っていること」が必ずしも自身に適性があるとは限りません。
特に憧れのみで仕事を選んだり、事前に具体的な情報収集をしないままだったりすると、ミスマッチを起こすことも。
その際に考えてみて欲しいのが「自分ができること、得意なこと」「社会的なニーズがあること」の2つの軸も取り入れてみることです。
ここまでであげた軸を整理すると、以下の3つにまとめることができます。
「自分が好きなこと、やりたいこと= Want」
「自分ができること、得意なこと=Can」
「社会から求められていること=Must」
1つめの「Want」の比重で考えてしまうと、自身の適性とは違った職業を選んでしまうため、他の2つの要素を複合して考えることが大切です。
3つの要素が共通して重なる仕事を選べるのが理想ですが、これは自身のキャリアやスキルも高めなくてはなりません。
そのため「自分に合う仕事がわからない」という方は、まず「自分の“Can”と“Must”の両方を満たす仕事はないか」という視点で考えてみましょう!
2.将来性も加味したうえで決める必要がある
長期的に働けるか、今後の成長イメージを抱けるかといった将来性を加味して、職業を決める必要があります。
オックスフォード大学のオズボーン教授らの研究では、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、AIへの代替が可能との推計結果が得られました。
たとえ自分に合った職業であっても、将来が見えない業種を選ばないようにすべきです。
同研究では、創造性、協調性、コミュニケーション能力が必要な仕事や、非定型な仕事は、AIやロボットによる自動化が難しいと言われています。
逆にルーティンワークをメインとした仕事は、AIやツールによる置き換えが可能なため、今後なくなる可能性が高いとされています。
せっかく就職できても、将来性が見込めない業界・職種ではあまり意味がありません。
長期的な視野で仕事を選ぶようにしましょう。
3.同じ職業でも企業によって仕事内容は変わる
同じ職業でも、企業によって仕事内容が変わる点にも注意が必要です。
例えばSEはシステム設計がメインですが、企業によってはプログラマーを兼任して開発業務を担当するケースもあります。
そのため、1つの職業にいくつかの種類がある場合には、それぞれに求められるスキルや仕事内容を把握することが必須です。
4.完璧に自分に合う仕事は見つからない
自分に合った職業を探す際の前提として、完璧に希望通りの仕事は見つからないことを理解する必要があります。
特に初めての就職活動の場合、100%自分に合う仕事を見つけようとすると、就活が難航し内定が遠のいてしまいます。
そのため「働く中で徐々に100%に近づけていけば良い」といったスタンスを持つことが大切です。
冒頭で解説した通り、自分に合った仕事を考える際に重視する項目は2〜3つに絞って、それを軸に就職先を探すようにしましょう。
5.一次情報を集めるようにする
情報収集の際には、一次情報を集めるようにします。
一次情報の収集方法は、以下の通りです。
- 企業のホームページ
- ビジネス雑誌や業界研究本
- 採用担当者のブログやSNS
- 求人サイト
- エージェント
注意が必要なのは、人づての情報や口コミサイトの書き込みです。
信憑性に欠ける情報やネガティブな情報を鵜呑みにしてしまうと、転職活動も思うように進まなくなるため、一次情報での確認をおすすめします。
転職エージェントは企業の良い面も悪い面はもちろん、ネットには出回っていない情報も把握しているため、自分で調べても分からない場合は、エージェントも積極的に利用すると良いでしょう。
まとめ
この記事では、自分に合った職業の見つけ方や自己分析法のほか、見つける際の注意点について解説しました。
自分に合った職業を見つけるには、適職診断ツールを使うことや就職セミナーなどのイベントに参加するなどポイントを押さえることが大切です。
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