ビジネスシーンで役立つ手土産の選び方についてご紹介します。
取引先への手土産は、相手との関係を友好的に進める潤滑油になるもの。
手土産が今後の営業に必ずしも影響するとは限りませんが、会話の糸口になったり、自分や会社を印象づけるアイテムになる可能性は十分あります。
そこで今回は、取引先に喜ばれる手土産と、喜ばれない手土産をご紹介します。
印象に残る手土産の選び方や、渡し方のマナーなども合わせて、ぜひ参考にしてください。
印象に残るビジネスの手土産とは
営業先で印象に残るような手土産を選ぶためには、いくつかポイントがあります。
・先方の情報を事前リサーチする
・紙袋にもこだわる
・上司の意見も聞く
受け取る方の満足度を上げるには、これらのポイントを押さえながら探すのがおすすめです。以下にくわしくご紹介します。
先方の情報を事前に可能な限りリサーチする
会食でご自宅に持ち帰っていただく手土産を選びたい場合は、家族構成や健康状態・食の好みなど、普段からそれとなく聞いておきましょう。
これまでのちょっとした会話から、ヒントが得られることもあります。
また、先方の秘書の方に問い合わせてみるのも一つの方法です。
取引先の職場へ手土産を持ってお伺いするケースも考えられます。
普段から訪問する機会があれば、部署内の人数・年齢層をチェックしておけば、いざという時に役立ちます。
先方社内の年齢層を確認することで、
「若い年齢層が多いからテレビで取り上げられた流行りのチョコレートを」
「ベテランが多いから老舗の羊羹を」
のように、手土産選びのヒントが見えてくるはずです。
初対面で事前リサーチできない場合は、奇をてらわず誰がもらっても嬉しい焼き菓子などがベストです。
紙袋にもこだわる
ビジネスの手土産は、品物そのものの上質さも当然ながら、外袋などの第一印象も重要です。
そのため、持ち帰り用の紙袋も高級感があり、丈夫な紙質のものを使っているお店を選びましょう。
ペラペラの材質の紙袋や、無地で店名だけが記された紙袋はあまり上質感が感じられず、避けた方が無難です。
会食などの手土産としてお渡しする場合は、持ち帰り途中のことまで想像力を働かせましょう。
たとえばかわいらしいピンクの紙袋では、年配の男性に渡しても持ち歩くのに気が引けるかもしれません。
先方の年齢性別が分からない場合は、老若男女問わず抵抗なく持てる黒やグレーなど、落ち着いた色味の紙袋がよいでしょう。
上司の意見も聞く
手土産を購入する前に上司の意見も聞いてみると思わぬヒントがもらえることがあります。
上司によっては
「あの取引先なら手土産は必ずお酒」
「老舗の和菓子がお好きなようだ」
など、参考になる情報を持っていることがあります。
特に、上司に同行して先方に伺う場合の手土産なら、事前に相談することで失敗を避けられて好印象にもつながりそうです。
ビジネスで失敗しない取引先への手土産
ここからは、満足度の高いビジネス向けの手土産を3つご紹介します。
お渡しするシーンをイメージしながら確認してみましょう。
お菓子
お菓子は手土産の王道ですが、選び方を間違うとありきたりな印象になってしまうことも多いもの社員みんなで仲良く分けられる焼き菓子やクッキーの詰め合わせセット、SNSで話題になった最新アイテムなど、どれだけ相手の会社の雰囲気に沿った配慮ができるか、が差を付けるカギになります。
価格が高いならなんでもよいわけではありませんし、そもそも予算が限られていることもあるでしょう。
時間がない時や迷った時は、有名ホテルや有名菓子店、地元の老舗店など、ブランドのネームバリューに頼ってみるのも手です。
話題性のあるものはインパクト大
「1日30個限定の焼き菓子」「毎月決まった日にしか販売していない和菓子」など、数が限定されていて話題性のあるもの、最近発売されて人気のニューフェイスなどもおすすめです。
そのような商品を購入するには手間がかかりますが、その分受け取った方には
「そうまでして手に入れてくれた心遣いがうれしい」
「トレンドのものに普段からアンテナを立てているんだな」
と印象づけられるでしょう。
飲み物
見た目がおしゃれなボトルやパッケージの飲み物・酒類も手土産に向いています。
以前先方の会社へ訪問した際に、こだわりのありそうなコーヒーや紅茶を出されたた経験があれば、上質な紅茶・コーヒーの飲み比べセットを持参してもいいでしょう。
何度か会食したことのあるお相手なら、相手の方がそのときに何を飲んでいたかを思い出して購入しましょう。
お酒が好きな方にはコンクールで賞を取った日本酒や、希少なシャンパンなどを「珍しいので召し上がってください」とお渡しすると喜ばれるはず。
年配の方で、健康に気を遣っていらっしゃる場合、生活習慣病対策にもなる黒酢ドリンクなどもおすすめです。
カタログギフト
カタログギフトが特におすすめなのは、「先方の好みが分からないとき」や、「遠方から来られた方に、邪魔にならない手土産を渡したいとき」です。
また、年末年始やお中元の時期など、取引先に似たような贈り物が多く届く時期には、好きなものをじっくり選べるカタログギフトは気が利いていて喜ばれるでしょう。
カタログギフトを手土産にお渡しする際には熨斗をかけて「きちんと感」を演出しましょう。カタログギフト自体も上品な表紙で掲載商品の数が多いものを選べば、高級感を演出できます。
これはいらない!喜ばれない取引先への手土産
取引先へせっかく持って行った手土産が、実は喜ばれていなかった……そのような失敗は避けたいもの。
以下で注意すべき点を押さえておきましょう。
会社の名前が大きく入った販促アイテム
会社名の入ったボールペンやうちわは誰にでも配っている販促品と捉えられ、特別な手土産というイメージがありません。
年末のご挨拶で取引先へ持参する社名入りのカレンダーも同様です。
たしかにこれらは、使っていただく際に社名が目に入り、会社のアピールにはなりますが、どこの企業も持参するため代わり映えがせず、印象にも残りにくい欠点があります。
社名入りの手土産を贈りたいなら、個包装のクッキーやバームクーヘンに社名を入れたものや、社名入りのカレンダーやボールペンと合わせてちょっとしたお菓子を持参するなど、他社と差別化する工夫をプラスしましょう。
日持ちしない食べ物
お菓子を手土産にするのは定番ですが、日持ちしないプリンやケーキといった生菓子を持参するのは避けましょう。
取引先に冷蔵庫があるのか、あったとしても入れられるだけのスペースがあるかどうかは分かりません。
少なくとも賞味期限まで2週間程度は余裕があり、常温保存ができるものを持参しましょう。
また生ものでなくても、大きなバームクーヘン・カステラ・羊羹など「切り分けないと食べられないもの」も、カットや片付けの手間がかかるため避けてください。
競合他社の製品
相手先企業が食品関係のメーカーや商社の場合、持参する手土産には注意が必要です。
万が一、取引先の競合メーカーの商品を持参してしまえば、ひんしゅくを買うどころか今後のビジネスにも影響しかねません。
取引先の関連企業や親会社などにも、十分注意して手土産を選びましょう。
取引先の近所で買ったもの
取引先の会社近くで手土産を購入するのも避けましょう。
いかにもついでに買ってきたという感じがして、あまり印象のよいものではありません。
また、金額がはっきり分かってしまう心配もあります。
ただし、取引先の方から
「近所のスイーツ店で、並ばなければ購入できない話題のチョコレートがありまして……」
などの情報を聞いたことがあるなら、持参すればむしろ好印象を持たれるでしょう。
ビジネスの手土産の予算相
手土産の予算の相場は、2,000円~10,000円程度というのが一般的です。
しかし、渡す相手・状況によって多少異なります。以下の表をご覧ください。
手土産を渡す相手 | 手土産の相場 |
お世話になっている取引先 | 4,000円〜10,000円程度 |
トラブルなどで謝罪する時 | 3,000円〜5,000円程度 |
初めてのクライアント | 2,000円〜4,000円程度 |
何万円もするような高価なものは、逆に相手を恐縮させてしまいます。適正な範囲を考えて、費用はかけすぎないように注意しましょう。
特に初めてお邪魔する企業の場合、お相手に気を遣わせないよう、あえて抑えた予算で購入するのがおすすめです。
社内で手土産の予算が決められている場合はその範囲で、取引先の方の心に残り、次につながるような手土産を選びましょう。
予算に合わせやすい手土産
「目をつけていた手土産があるけど、よく調べたら予算オーバーだった」
そんな失敗を経験した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
決められた予算内でよい品を選ぶなら、カタログギフトが最も適しています。
相手の「欲しい」が見つかるカタログギフト
ひと昔前は「結婚式の引き出物」のイメージが強かったカタログギフト。
最近はカタログギフトのバリエーションが豊富になり、幅広い贈答シーンで使える贈り物として人気上昇中です。
特定のコンセプトに特化したものも多数登場しています。
・掲載商品が幅広い総合型カタログギフト
・国産和牛など高級食材を集めたグルメ特化型
・旅行、趣味、グルメなどの体験ギフト特化型
・人気ブランド監修のデザイン性が高いカタログギフト
上記はほんの一例です。
「同じ予算内でそれ以上の満足感のある手土産を用意したい」
というときに割引カタログギフトは賢いチョイスといえるでしょう。
カタログ掲載商品はECサイト内のデジタルカタログで全て閲覧できるため、先に掲載内容を確認してから購入したい場合も安心です。
営業担当者必見!手土産の渡し方
どんなに素敵な手土産を用意しても、ビジネスマナーがなっていなければ、結果的に恥をかいてしまうことになりかねません。
手土産を渡すタイミングは、そのときのシチュエーションでも変わるため、お相手の迷惑にならないタイミングを見計らいましょう。
ここでは取引先の会社訪問時と、会食時の手土産の渡し方について解説します。
パターン①:会社訪問時の手土産の渡し方
打合せなどで取引先へ伺った際、手土産は仕事の話が始まる前にお渡しします。
初めてお会いする営業先なら、案内された部屋で、お互い自己紹介した後のタイミングで渡すのがよいでしょう。
手土産をお渡しする相手は、基本的にその場で一番役職の高い方です。
必ず手提げ袋から取り出します。相手の方から見てのし紙が正面(表書きの字が読める方向)を向くようにし、両手で渡しましょう。
上司と共に訪問した場合は、上司から先方に手渡してもらうのがマナーです。
その際は事前に、どんな手土産なのか、上司に簡単な特徴を伝えておきます。
そうすることで、上司がお相手に手渡す際に、「最近話題の○○○です」など、手土産の説明をひとこと添えられます。
少し気を利かせた対応で、上司からあなたへの評価もUPすることでしょう。
パターン②:会食時の手土産の渡し方
会食の際の手土産は、お相手の邪魔にならないよう、帰り際にお渡しするのがスマートです。
会社訪問時と同様に、上司が一緒にいる場合は、上司から一番役職の高い方へ渡してもらいます。
帰り際に手渡しする場合は、先方がそのまま持ち帰りやすいよう、手提げの紙袋に入れたままお渡ししても問題ありません。
ただしお渡しする際、「紙袋のまま失礼いたします」と一言添えるのを忘れずに。
意外な落とし穴!? 天候にも注意
雨の日には、紙袋につけられるビニール袋などの雨除けを準備しましょう。
相手のことを気遣ってくれるいい会社だと印象付けられます。
手土産購入時に晴れていても、天気予報などで雨雲が近づいていたら、念のため雨除けをもらっておくと安心です。
まとめ
ビジネスの手土産には、ビジネスマナーに沿った選び方・渡し方があります。
先方の情報を事前にリサーチし、会社の規模や社風などに合わせて印象に残る手土産を探すのが基本です。
時間に余裕がある時は、少し手間をかけて喜んでいただけそうなアイテムを準備したいですね。
急ぎの場合は、どんな方に贈っても安心なカタログギフトを選ぶと手間が省けます。また、カタログギフトはかさばらないため、移動があるお相手の邪魔になりにくい、というメリットもあります。
今回ご紹介した情報を、手土産選びの参考にぜひお役立てください。
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