夜はしっかり眠れているつもりなのになかなか疲れがとれない場合、枕の高さが影響している可能性があります。
睡眠の質を高めたいと思っていても、理想の枕の高さをきちんと把握できていない方もいるのではないでしょうか。
睡眠の質を高めるためには、自分に合った高さの枕を使用することが重要な要素の一つです。自分の体型や寝姿勢に合ったマットレスとともに、枕の高さにも意識を向けましょう。
この記事では、枕の高さが高いことのメリット・デメリットや理想の枕の高さ、マットレスの選び方、枕が高い場合の対処法などを説明します。
枕が高すぎるとどうなる?
自分にとって高すぎる枕を使用すると、背骨が急なS字カーブを描くようになり、首や肩、胸の筋肉に負担がかかりやすくなります。
詳しい内容は高い枕のデメリットとして後述しますが、結果として首や肩のこり、腰痛を引き起こすほか、いびきやストレートネックの原因になる可能性もあります。
そもそも枕の役割とは、敷布団やマットレスと後頭部から首にかけての隙間を埋めて、なるべく立ち姿勢に近い自然な姿勢を保つことです。
隙間の深さは人それぞれ異なるほか、仰向け寝、横向き寝、うつぶせ寝などの寝方によっても適した高さは異なります。高すぎる枕は隙間に合っているとはいえないため、首や肩・胸の筋肉に負担がかかり、呼吸がしにくく寝心地が悪くなる可能性があります。
高い枕のメリット
就寝時の体勢にもよりますが、一般的には低い枕より高い枕のほうが良いといわれています。
しかし、枕を低い・高いと感じるかは、体格や骨格などによっても異なるため、枕を選ぶ際は自分の体つきも踏まえて選ぶことが重要です。
高い枕のメリットとしては、横向きで寝る場合に肩への圧迫が少なくなり寝やすく感じることです。そのため、普段横向きで寝ることが多い方であれば、高さが少し高めの枕を使用すると良いでしょう。
高い枕のデメリット
高い枕のデメリットは主に以下の3つです。
- 仰向けで寝る場合に首・肩こり、痛みなどに繋がる
- いびきをかきやすくなる
- ストレートネックに繋がる
高い枕のデメリットとしては、仰向けで寝る場合に筋肉に負荷がかかり、首や肩のこりや痛み、背中の張り、腰痛などに繋がることが挙げられます。
また、仰向け寝で枕の高さが高すぎると顎を引いた姿勢になり、喉が圧迫されて気道が狭くなるため口が開いた状態になりやすいです。その結果、睡眠時に口呼吸が増えていびきをかきやすくなります。
さらに、枕が高すぎると首が前傾になるので「ストレートネック」にも繋がる可能性もあります。人間の背骨はS字に湾曲している状態が正常であり、ストレートネックになると肩こりや頭痛・手のしびれやめまいなどの症状を引き起こす場合もあるでしょう。
このように、枕の高さは寝姿勢によってさまざまな影響を及ぼすことを覚えておいてください。
ストレートネックで悩んでいる方の場合、首にかかる負担を少なくすることが大切で、仰向けだけではなく横向きでも理想的な寝姿勢を維持できるかが枕を選ぶポイントとなります。
理想的な寝姿勢とは、仰向け寝で背骨がS字にカーブする状態がキープできていること、横向き寝では頭の中心と背中の中心がまっすぐになる高さとなることです。
このような理想的な寝姿勢となる適切な高さ、硬さ、反発力、素材、横幅の枕を使用しましょう。
枕の理想的な高さや選び方
前述したように、理想的な枕の高さは体格や骨格、寝姿勢によって異なります。そのことを踏まえたうえで、自分に合った高さの枕を選ぶことが大切です。
自分に合った高さの枕を選ぶ際には、以下の高さを意識すると良いでしょう。
- 立っている時と同じ姿勢で眠れる枕の高さ
- 後頭部の隙間が埋まるような高さ
- 頚椎(けいつい)を支えられる枕の高さ
それぞれ説明します。
立っている時と同じ姿勢で眠れる枕の高さ
立っている時と同じ姿勢を保つことが、理想的な寝姿勢です。理想の姿勢になっているかを確認する方法は寝方によって異なります。
仰向けで寝る場合は、寝たまま天井を見つめ、垂直よりもわずかに足側に目線が行っているかをチェックしましょう。足側に目線が行っていれば、あごの角度が立っている時と同じような自然な角度に保たれていることになります。
目線が理想的な角度よりも下側であれば枕が少し高く、目線が少し上側であれば枕が少し低いです。
一方、横向きで寝る場合は、視線の向きから寝姿勢を判断するのは難しいです。家族などに協力してもらい、横から見た時に首と背筋がまっすぐな高さになっているかを確認すると良いでしょう。
後頭部の隙間が埋まるような高さ
仰向けに寝た場合、枕がない状態で寝ると後頭部と敷布団やマットレスの間に隙間ができます。枕はこの隙間が自然に埋まり、しっかりと密着した状態になることが、ちょうど良い高さとされています。
具体的には、敷布団やマットレスと首の角度が5度程度になるものがおすすめです。
また、枕は頭を載せると多少なりとも変形しますが、頭が自然と沈み込み、かつ沈み込みすぎないほどの程良い硬さがあることも重要です。
頚椎(けいつい)を支えられる枕の高さ
立っている間に人の頭を支えるのは、頚椎(けいつい)と呼ばれる首の骨です。睡眠中、頭は枕によって支えられますが、その際に頚椎に負担が掛かることなく頭とともに枕に支えられることが大切です。
これは自分で感じてみなければわからないことでもあるので、実際に枕に頭をのせて頭と頚椎がしっかりと支えられている感覚があるかを確認すると良いでしょう。
睡眠中に頚椎に負担が掛かっていると、首の筋肉が緊張した状態となるだけでなく、骨や椎間板にも影響が及びます。その結果、筋肉の凝りだけでなく、痛みやしびれなどの神経を刺激する症状を発症する可能性が高まります。
枕のような寝具は睡眠の質に大きな影響を与えるため、自分にとって適切な高さの枕を選ぶことが大切です。 詳しい枕の選び方や理想的な枕の高さについては、以下の記事をあわせてご覧ください。
枕が高い場合の対処法
枕が高い場合の対処法には、枕を低くするか、自分の体の位置を変える方法があります。
具体的な方法を以下の項目で解説するのでぜひ試してください。いずれの方法も、枕をすぐに買い替えられない場合にも役に立ちます。
しかし、枕の中身を取り出せない枕もあります。この場合には体の下に毛布やタオルを敷いて自分の体の位置を底上げします。
いずれの方法も枕をすぐに買い替えられない場合に有効です。
枕の高さだけでなくマットレスが合っているかも確認しよう
枕選びだけでなく、マットレス選びも睡眠の質に大きく関わります。
自分に合った高さの枕を選んだとしても、マットレスが自分の体型や寝姿勢に合っていなければ、理想的な寝姿勢を維持することはできません。
マットレスは体全体を支えるので、自分に適したマットレスを選ぶことが大切です。結果として体の疲れが取れやすくなり、睡眠の質が高くなるでしょう。
まとめ
枕の高さは睡眠の質に関わるため、自分の体格や寝姿勢などを踏まえてぴったりな高さのものを選ぶことが重要です。
立っている時と同じような姿勢で寝られるか、枕が頚椎をしっかり支えている感覚があるかなどを意識して枕選びをしましょう。枕が高いと感じる場合には、解説した方法を参考にしてください。
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