体がだるいのはなぜ?考えられる原因とすぐに実践できる対処法

健康

何となく体のだるさを感じるという経験は、性別や年齢に関係なく誰にでも一度はあるのではないでしょうか。体のだるさは、疲れ以外にもさまざまな原因があって引き起こされます。

この記事では、体のだるさが起こる仕組みや原因、対処法について紹介します。だるさへの対処法を実践して、楽な体で快適な毎日を過ごしましょう。

1. 体がだるいとはどんなこと?

体がだるいとは、どのような状態をいうのでしょうか。

体のだるさは、医学的には倦怠感と呼ばれる症状です。

肺炎やインフルエンザなどにかかり高熱を出すような場合には、全身が重くだるくなるでしょう。このように、倦怠感は病気のときにあらわれる症状でもあります。しかし、病気以外でもだるさを感じることは多く、さまざまな原因が考えられるのです。

2. 体のだるさを感じる仕組みとは

だるさは、体が発する危険信号のひとつとされており、休息を必要としているサインです。

体の状態を一定に保とうとする働きを恒常性またはホメオスタシスと呼びますが、一定の状態が保てなくなりそうだというときに発せられる症状がだるさなのです。だるさのほかに、熱や痛みなども体の恒常性に対する危険信号とされています。

だるさには、肉体的なだるさと精神的なだるさがあります。スポーツなどで体を動かすと、一時的な疲労によって肉体的なだるさが出ることもあります。肉体的なだるさは、休息をとれば短期間で回復することが多いでしょう。

しかし、精神的なだるさはストレスなどから生じるものが多く、慢性的にだるさを感じる原因になることもあります。過労によるだるさのように、肉体的なだるさと精神的なだるさをあわせ持っているような状態になることもあります。

漢方医学における考えかたでは、だるさは病気の有無に関係なく体内のエネルギー不足です。元気・やる気・気力などの気、つまり体内エネルギーの異常として気虚と呼ばれています。

3. 体がだるい原因は?

体がだるい原因として考えられるのは、どのようなことなのでしょうか。

3-1. 疲労の溜まりやすい生活習慣

働きすぎで休息がなかなかとれなかったり睡眠不足が続いたりすると、疲労が蓄積していきます。残業続きで自由にできる時間が少ないと、疲労だけでなくストレスも溜まるでしょう。疲労の溜まりやすい生活習慣は、体のだるさにつながります。

また、睡眠時間や食事の時間が不規則だと体内時計が狂い、体調不良を引き起こすこともあります。昼夜逆転の生活になると、脳の疲労感が強くなり自律神経の乱れを引き起こす原因となるため注意が必要です。

3-2. 精神的なストレス

仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、引っ越しや転勤などによる環境の変化、結婚や出産による生活の変化など、日常的にさらされているストレスや人生の転機におけるストレスなどさまざまなストレスがあります。

ストレスがかかることにより自律神経が乱れるため、だるさを感じやすくなるのです。環境の変化や生活の変化が原因の場合は、新しい環境や生活に慣れてくれば自然とだるさも解消することが期待できます。

しかし、人間関係の悩みなどなかなか解決しないような原因の場合は、放置したままだとうつ病などの精神疾患につながる危険性もあります。

3-3. 風邪などの急性疾患

風邪のひき始めや治りかけも、だるさを感じることがあるでしょう。

風邪の原因となるウイルスにはアデノウイルスやRSウイルスなどさまざまな種類がありますが、だるさを感じるかどうかは感染したウイルスの種類によって異なります。風邪のほかにも、インフルエンザや急性肝炎などの急性疾患によってだるさを感じることがあります。

3-4. 食生活の乱れ

忙しいからといって朝食を食べずにいたり昼食を抜いたりしていると、栄養が不足して疲れやすくなったり気力が落ちてしまったりします。

野菜や果物をほとんど食べず、タンパク質や炭水化物ばかりの食生活で栄養バランスが悪い場合にも、体調不良になることがあります。

意外と盲点なのが、食べ過ぎによるだるさです。体が必要とする以上のエネルギーを摂取してしまうと、消化のために体に余計な負担をかけることになってだるさを感じます。

お菓子やお酒など糖質の多いものを摂取しすぎると、血糖値を下げるためにすい臓に負担をかけ、体内のエネルギーが奪われてしまうので注意が必要です。コーヒーや紅茶など、カフェインが含まれるものを飲み過ぎるのもよくありません。

カフェインの効果でアドレナリンが分泌され、コーヒーや紅茶を飲んだ直後は眠気が飛んだように感じますが効果は短いです。時間の経過とともに飲む前よりもだるさを感じてしまうため、コーヒーや紅茶を飲む場合には適度な量にしましょう。

3-5. 女性ホルモンのバランスの乱れ

女性の場合は、月経の周期に関係してだるさを感じることがあります。

月経前の不快な症状を総称して月経前症候群、PMSと呼びます。PMSの症状は人によってさまざまですが、代表的な症状はだるさや肌荒れ、乳房の張りやイライラといったものです。PMSは月経の周期によって女性ホルモンのバランスが乱れることによって起こるため、月経前1週間にだるさを感じる場合にはPMSの可能性があります。

日本人女性の実に約70%がPMSに悩まされているというデータがあるほど、PMSはとても身近なものです。

4. 体がだるい時の対処法

体がだるいときには、いったいどのように対処したらよいのでしょうか。

4-1. 良質な睡眠をとる

体のだるさを感じる原因のひとつとして、自律神経の乱れが挙げられます。

自律神経を正常な状態に回復させるには、睡眠が何よりも大事です。良質な睡眠とは、寝入ってから約3時間の間に深い眠りに入ることを指します。

良質な睡眠をとるために心がけたいことをご紹介いたします。ポイント①寝る時間の3時間以上前には食事を済ませて、消化を終えた状態で就寝すること。ポイント②

40度くらいのぬるめのお湯に入浴して心も体もリラックスさせてから就寝すること。

ポイントは、シャワーで済ませるのではなく浴槽に浸かることと、寝る直前ではなく少し前に入浴を済ませておくことでしょう。
浴槽に浸かると血行がよくなり、体をほぐす効果やリラックス効果が期待できます。ただし、血行がよくなっている状態では寝つきにくいため、入浴してから少し時間をおいて就寝するのが望ましいのです。ポイント③寝る直前にスマホやパソコンを触るのは避けること。また、寝る前にお酒を飲むと寝つきはよいかもしれませんが、睡眠の質が落ちるのでおすすめできません。

上記以外にも、夜は蛍光灯のような明るい光ではなく、間接照明を使った部屋で過ごし、気持ちを落ち着かせる方法もあります。適切な睡眠時間に関しては個人差があるので一概にいうことは難しいですが、極端に短い睡眠では疲労回復ができません。寝つきが悪くて疲労回復できない場合には、眠りに入りやすくする工夫をしましょう。

また、音楽の活用によりすっきりした睡眠をとることもおすすめです。

4-2. 栄養のバランスに気を付ける

食事を1日3回とっていても、栄養が偏った食事であれば体の不調が起こり、だるさを引き起こす可能性があります。

栄養バランスのよい食事を心がけ、疲労回復に努めましょう。栄養バランスのよい食事の目安としては、1日に主食をごはんならば4杯程度、主菜を肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度、副菜を野菜料理5皿程度、牛乳ならば1本程度かそれに相当する乳製品、果物をみかんならば2個程度です。

特に、ビタミンやイミダペプチドは体のだるさに効果があるとされています。イミダペプチドを摂取するためには、鶏のむね肉・マグロ・カツオのいずれかを1日に100g程度食べるように心がければよいでしょう。

バランスのよい食事をとることが難しいなら、サプリメントや健康食品で補うこともできます。

4-3. 正しい方法で入浴する

入浴によって血液の循環をよくすると、だるさを解消できる可能性があります。入浴には、リフレッシュ効果や自律神経スイッチを切り替える作用があるのです。

ただし、43度以上の熱いお湯に肩まで浸かると体温や心拍数、血圧などが急激に変化してしまうため、それを調節する自律神経に大きな負担をかけることになります。自律神経に負担をかけると活性酸素が大量に発生して細胞が酸化し、疲労につながるためだるさが増すでしょう。

だるさを解消するためには、正しい方法で入浴する必要があります。温度の目安は40度で、浸かる時間の目安は10分〜15分です。全身浴で、肩まで浸かります。入浴剤でリラックス効果を高めるのも、おすすめの方法です。

入浴後は体を冷まさないように早めにタオルで水分をふき取り、温熱効果を逃がさないようにしましょう。

4-4. 適度に運動する

ジョギングなどの有酸素運動で血液循環をよくすると、疲労の原因物質とされる乳酸が筋肉や肝臓にてより効率的に処理されるようになり、だるさの軽減が期待できます。

ウォーキングやジョギング、サイクリングやスイミングなど、足腰の状況に応じて自分に合ったものを選ぶことが大切です。運動には、ストレスに対して過敏に反応するようになっている状態を緩和する効果やストレス耐性が増す効果も期待できます。すでにストレスが溜まっているとすればストレス解消にもなり、またストレスを感じにくい状態を作ることにもつながります。疲れにくい体作りのため、そしてストレスを溜めにくい状態を作るため、日常的に運動習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

5. 体のだるさに悩んだら迷わず医療機関へ

だるさをともなう病気には、だるさのほかにも頭痛や疲れやすさ、微熱や息切れなどさまざまな症状があらわれることもあります。自律神経の乱れでも頭痛や疲れやすさなどの症状が出るため、病気かどうかの判断は医療機関でないと正確にはできないといわざるを得ません。

だるさ以外にも症状がある場合や上記で紹介した対処法を試してもだるさが解消されない場合には、迷わずに医療機関を受診してください。検査をして病気ではないことがわかってから、上記の対処法を試すくらいでもよいのではないでしょうか。

体がだるいと感じたらまずは生活習慣を見直そう

体のだるさには、さまざまな原因が隠れています。栄養バランスや運動、睡眠など生活習慣を見直すことでよくなる場合もあります。

原因ごとのそれぞれの対処法を知って、だるさの軽減をはかりましょう。体のだるさがなかなか軽減されずに悩んだり困ったりしたときは、無理に自分で何とかしようとせず医療機関を受診することも視野に入れておくことが大切です。

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