ホワイトニングってどれくらい効果があるの?白くなる理由、効果UPのポイントが知りたい!

ホワイトニングをすると、どのくらい歯が白くなるのでしょうか?
これには個人差(生活習慣やもともとの歯の質・状態)やホワイトニングの方法や種類による違いもあり、ひとくくりに「ここまで」と言うことができません。また、ホワイトニングをしても白くなりにくいという人もいます。
そこで今回は、これらのことをふまえたホワイトニングの効果に関わる、着色の理由や白くなるしくみについて説明していきたいと思います。

ホワイトニングをしたら芸能人みたいに白くなるの?

テレビや雑誌などでみる芸能人の歯はとても白くてきれいです。ポスターやスクリーン上で口元まで拡大して見られる機会が多いタレントや俳優、モデルなどを筆頭に人前に出ることの多い方は、ホワイトニングの中でも白くなる度合いが高い方法を選ぶ傾向にあるようです。
一般的なオフィスホワイトニングをより効果的に行うことで、いわゆる芸能人レベルの白さを目指すことは充分に可能です。ただし、特に突出して白さの目立つ方は「ラミネートベニア」という、もともとの歯を一部削った上に白いかぶせ物をする方法を行っている場合が多く、これは通常のオフィスホワイトニングとは方法も仕上がりも全く異なるものです。人工の白い被せ物により、自然な白さを超越した白さに見せることが可能になります。

歯が着色する理由と、ホワイトニングで白くなるしくみ

歯が着色し、黄色く見える理由
歯の表面にはさまざまな着色成分が付着しています。お茶やコーヒーに含まれるポリフェノール類と呼ばれる色素やタバコのヤニ(タール)などがステインの原因として知られています。
これらの色素が歯の表面にある「ペリクル(※1)」という成分に付着することでステインとなり、やがて歯が黄色く見える「着色汚れ」となっていきます。
その他にも、加齢と共に半透明のエナメル質が磨り減る一方で、内部の象牙質は厚みを増していくため、磨耗したエナメル質から象牙質が透けることで歯が黄色く見えるという〈内部からの歯の変色〉も進んでいきます。

※1:ペリクルは本来、歯に密着して細菌などから歯を保護する働きやカルシウムやミネラルの流出を防ぎ歯の石灰化を助けるといった良い働きがあります。ただしそれと同時に細菌やステインを呼び寄せる性質もあり、歯の着色汚れを招いてしまいます。ホワイトニングで歯が白くなるしくみ
ホワイトニング薬の成分として採用されている過酸化尿素や過酸化水素は、前述の〈着色汚れ〉を無色透明に分解する働きがあり、これにより歯が白くなります。また、これらの成分は歯の中に含まれる色素も分解し〈本来の歯の色自体〉も白くする「ブリーチング効果」があります。
また、加齢とともに進む歯の変色に対しては、「マスキング効果」と「ブリーチング効果」が歯を白くみせていきます。マスキング効果とは、過酸化水素がエナメル質表層の構造を変化(角状→球状)させることで光の乱反射を起こし、エナメル質を曇りガラスのように白く見せるしくみです。
ホワイトニングはこのような複雑なしくみにより歯を白く見せていきます。

思ったよりも白くならない歯の特徴

ホワイトニング剤を使用しても、あまり効果が出ない人がいます。
効果が出る人と出ない人、何が違うのでしょうか?

・フッ素(フッ化ナトリウム)コーティングをしている
フッ素が含まれている歯磨き粉が最近は人気が高く、数多くの商品が販売されています。フッ素はエナメル質を虫歯菌の出す”酸”に対して溶けにくい質に変化させる働きがあり、フッ素を塗ることで新たな虫歯を作りにくくする効果が期待できるため、歯磨き粉だけでなく歯科医院でも虫歯になりやすい子供や定期検診で初期虫歯ができていた人が塗るということが多いようです。
しかし一方で、フッ素にはホワイトニング剤が歯に浸透するのを阻害してしまうという作用があるため、フッ素コーティングをしている人はホワイトニングの効果が十分得られないことがあります。
ただし、ホワイトニングをした後であればフッ素コーティングの利用は推奨されています。

・着色成分が強くこびりついている・歯垢がある場合
着色成分が歯の表面に多く付着している場合は、ホワイトニングで思うように歯が白くならないこともあります。さらにプラーク(歯垢)が歯に付着していると、ホワイトニング薬剤が歯に浸透しにくくなりますので、歯石がついている場合は、まずは歯石取りをしてもらってからホワイトニングをすることをおすすめします。

ホワイトスポットの解決策としてのホワイトニング

人によっては、歯の一部が白くぼけやている人もいるのではないでしょうか?
これは「ホワイトスポット」と呼ばれるものが考えられます。
ホワイトスポットとは、歯の表面にまだらにできる斑点状の白濁です。ホワイトスポットの原因としては、エナメル質が形成される8歳までに栄養が足りていなかった・肺炎などにかかった・虫歯による炎症などがあると言われています。また、大人になってからでも虫歯菌などが原因の「強い酸」などを放置しておくと、エナメル質が溶け出してホワイトスポットになることもあります。
こういったホワイトスポットを解決する手段の一つとしても、ホワイトニングが有効と考えられています。ただし、ホワイトニングでホワイトスポットがなくなる訳ではありません。ベースの歯の色が白くなることで、ホワイトスポットが目立つ原因となっていた「色の差」を軽減できるという点でホワイトニングが役立つというものです。

テトラサイクリン歯の解決作としてのホワイトニング

抗生物質の利用経験を原因とする歯の変色があります。抗生物質は数多く種類がありますが、その中でもテトラサイクリン系の抗生物質は歯へ着色を起こすことで知られています。中でも8歳までに多くのテトラサイクリン系の抗生物質を服用していると、歯の本来の色自体が黄色やグレーなどの色に変化してしまいます。

ホワイトニングで多少はこの変色を改善することができますが、完全に白くすることは難しいとされています。軽~中度の場合、解決策の1つとしてホワイトニングを利用することをお勧めできますが、重度の場合はラミネートベニアや被せ物、マニキュアなどのホワイトニング方法をお勧めいたします。

ホワイトニングができない人とは?

ホワイトニングには効果が出にくい人だけではなく、ホワイトニング自体が推奨されていない人も存在します。

・妊娠中および授乳中の女性
妊娠中・授乳中の女性はホワイトニングを控えましょう。理由としては、まだ妊婦や胎児へのホワイトニングが与える効果や影響の研究が十分ではなく、安全性が保障されていないからです。

・無カタラーゼ症の人
無カタラーゼ症の患者さんはホワイトニングをすることはできません。カタラーゼには、ホワイトニング薬の成分でもある過酸化水素を分解する働きがあります。カタラーゼがないということは、過酸化水素を分解することができず、結果として過酸化水素が体内へ残ることになります。
過酸化水素は体内でも生成されていて、通常はカタラーゼにより即座に分解されるため無害ですが、体内に長時間・高濃度で残ると組織を壊死させてしまうこともあります。(※2)

※2:ホワイトニングで使われる過酸化水素は、歯以外につかないよう防護をしたり、専門家(歯科医師・歯科衛生士)のみ歯への取り扱いが許可されています。(薬機法)・歯の神経が死んでいる人
大前提として、神経が生きているか死んでいるかでホワイトニングの方法が異なります。歯の状態に合っていないホワイトニングを行うと、効果が出ない場合もあるので注意が必要です。歯科医師に相談の上、判断してもらうことをお勧めいたします。

・歯に詰め物をしている人
詰め物が入っている場合、詰め物に対してのホワイトニングを行うことはできません。厳密には、ホワイトニングは行えるものの詰め物自体への効果が出ないといったほうが正しいかもしれません。
理由として、詰め物の色と歯の色の原因が異なり、詰め物本来の色はホワイトニングで分解することができないからです。

他にも、大人の歯が生えそろっていない人や象牙質形成不全も一般的なホワイトニングはできないと言われています。(※3)

さまざまな視点からのホワイトニング分類

施術を行うのは誰か?
色素を分解し、歯本来の色を白くするホワイトニングには、歯科医師・歯科衛生士が施術を行うオフィスホワイトニングと、自宅などでマウスピースを使い自分で行うホームホワイトニングがあります。
色素を分解するには漂白効果のある薬剤(過酸化水素・尿素)を使う必要があるので、日本では歯科医師の診断と処方が必要になります。

色素を分解しない「クリーニング」
また、歯科医師を通さずに日本国内で入手できるホワイトニング剤には色素を分解する過酸化水素・尿素が含まれないため、歯を〈本来の色に戻すこと〉が限界です。歯を本来の色に戻すというものは「クリーニング」に分類され、その中でも、自分自身の手で施術を行うものは「セルフホワイトニング」に分類されます。

神経が生きている歯・死んでいる歯
上記の方法は神経が生きている歯に対して行います。それに対して神経が死んでいる歯(虫歯等)に対しては、インターナルブリーチ(ウォーキングブリーチ)という方法を行います。インターナルブリーチとは、歯の中に漂白効果のある成分を入れて、歯を白くする方法です。
前述したように、神経が死んでいる歯と生きている歯では行えるホワイトニングが異なるので歯科医師へ相談するようにしましょう。

ホワイトニングで使用する薬剤の特徴

スピードと持続性
歯科医師・歯科衛生士の手で行われるオフィスホワイトニングでは、患者さん自身が施術を行うホームホワイトニングよりも濃い濃度の薬剤を使用するため、白さを実感するまでのスピードは速いと言われています。
ただしその反面、白さの持続期間については個人差はありますが、じっくりと時間をかけて白くするホームホワイトニングの方が長いとされています。

ホワイトニングに伴う飲食制限と痛みについて
オフィス・ホームホワイトニングどちらにも言えることですが、使用する薬剤の種類によっては飲食制限がかかることがあります。これは、過酸化水素・尿素が歯に浸透する際に一時的に歯の内部を脱水状態にすることで、外部の成分を吸収しやすくなり、施術直後の飲食の色がつきやすくなるという理由からです。また、同様の理由から施術中や施術後に痛みを生じされることもあります。
近年では、これらのデメリットを解決するホワイトニングの方法も登場しています。過酸化水素と同時に短鎖分割ポリリン酸(※4)を使用するホワイトニング(※5)の場合、歯の内部が脱水状態になることを防ぐため痛みが起こりづらく、施術後の飲食制限が必要ありません。ポリリン酸は体内にもともと存在する生体成分で、歯の表面をコーティングして着色を防ぐなどのメリットもあります。そのため、痛みが少ない・飲食制限が必要ないという特徴の他、白さの持続も期待出来るホワイトニングの方法とされています。

分割ポリリン酸®(EXポリリン酸®)は、歯面の汚れを落とす・汚れがつかないようにする、白さを増す・口腔内を清潔にして口腔環境を整えるという要素を備えた新たなホワイトニング成分です。

※5:ポリリンホワイトニングと呼ばれるものには、過酸化水素と分割ポリリン酸を同時に使いブリーチング(漂白)を行うものと、ポリリン酸のみを使用するもの(クリーニング)の2種類があります。歯科医師・歯科衛生士が施術を行なわない「セルフホワイトニング」の施術は、後者のクリーニングにあたります。

ホワイトニングの効果持続期間は?

ホワイトニングはどの程度白さをキープすることができるのでしょうか?
一般的にはホームホワイトニングの場合は約1年、オフィスホワイトニングの場合は3ヶ月~6ヶ月、ポリリングホワイトニングの場合は約6か月だと言われていますが、やはり個人差があります。
主に、毎日の歯磨きの回数や時間、飲食や喫煙の習慣など、施術後のケアによりホワイトニング効果の持続期間は違ってきます。また、歯科医院でのクリーニングやPMTCといった「歯面清掃」を行っている場合はホワイトニング効果が長持ちしやすくなります。

ホワイトニング前にしておきたいこと

ホワイトニング前にやっておいた方が良いものとして虫歯の治療があります。(虫歯による着色はホワイトニングで除去できません)虫歯の他にも、古くなっている被せ物や劣化して着色の原因となっている金属(金歯・銀歯)などがある場合、ホワイトニングをする前に歯科医師に相談することをお勧めいたします。

白い歯を長持ちさせるために

ホワイトニングの効果、白い歯をより長続きさせるにはどうすればいいのでしょうか?いくつかのちょっとしたコツをご紹介いたします。

・着色の強い飲食後は、水でゆすぐ
ステインの原因となる着色成分が多く含まれている飲み物や食べ物を多く摂取すると、やはり歯の着色もしやすくなります。これらのものが好きで習慣的に摂取するという方は、飲食直後に口をゆすぐことで汚れが定着しにくくなり、着色を予防することができます。

・タッチアップホワイトニング
ホワイトニングをより長持ちさせたい場合は、タッチアップホワイトニングの実施がお勧めです。ホワイトニングの効果が落ち始めた時期に追加のホワイトニングを行う方法で、医院によりますが通常のホワイトニング施術よりも低価格でタッチアップホワイトニングメニューを提供している場合もあります。
また、ホワイトニング施術を行う医院では色戻りを防ぐ為のオプションメニューや、事前に行うことでホワイトニング効果を高めるクリーニングなどのメニューを用意している場合も多いので、事前に調べておくと良いでしょう。

・歯の定期健診を受ける
付着してすぐの着色成分であれば歯科医院で簡単に除去することができます。また、定期健診は虫歯予防・歯周病(歯槽膿漏)予防にもつながりますので、お口全体の健康的な美しさのためにもぜひ受けることをお勧めします。

ホワイトニングと一言で表現しても、色素を分解しないクリーニングや、歯本来の色を白くするオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングなど様々なものがあります。ライフスタイルや希望する白さ・歯の状況によって使用する薬剤や方法が異なります。
ホワイトニングで効果的に歯を白くし、白さをより長持ちさせるためにも、ぜひご自分に合った方法を選んでください。

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