中学受験や高校受験、大学受験において、志望校選びの大きな判断材料となるのが学校説明会への参加です。実際の学校の雰囲気を肌で感じることで、より行きたい学校のイメージを高められるでしょう。
今回は学校説明会とはどのようなものなのかについて、確認すべきポイントやオープンキャンパスとの違いなどと一緒に解説します。
まずは学校説明会の概要とオープンキャンパスとの主な違い、説明会に参加した方がよいのかについて見ていきましょう。
学校説明会とは
学校説明会とは名称の通り、学校に関する詳しい説明をしてくれるイベントのことです。
学校の体育館や講堂などで集まり、配布された資料や映像を通して、学校長や担当者から説明を受けます。学校の教育理念や教育方針、カリキュラム、指導内容、進路実績、部活動など、説明される内容はさまざまです。
説明会が終わった後は校内見学や、個別相談会をおこなっているところもあるでしょう。個別相談会では説明会ではわからなかった内容について、担当者へ直接質問できます。個別ブースが設置されていたり、他の参加者と席が離れていたりするので、気軽に相談できるはずです。
オープンキャンパス(オープンスクール)とは
学校の中には学校説明会とは別に、オープンキャンパスを開催しているところもあるでしょう。オープンスクールや体験入学と呼ばれることもあります。
学校説明会との最も大きな違いが対象者です。学校説明会は主に保護者を対象としていることに対し、オープンキャンパスは入学を希望する子ども本人を対象としています。
実際に学校でおこなわれている授業や講義を受けたり、部活動・サークル活動に参加したりするほか、在校生と話をする機会を設けているところも少なくありません。
そもそも学校説明会は行くべき?
学校説明会へ参加したからといって入試に有利となることはないものの、できる限り参加をするのがおすすめです。参加すべき主な理由を、全部で3つ紹介します。
学校生活をイメージしやすくなる
学校の資料やホームページ上にたくさんの情報が掲載されていても、やはり実際に目で見たり、耳で聞いたりする情報にはかないません。実際の様子を直接確認することで、入学後の学校生活をイメージしやすくなります。
受験勉強のモチベーションアップにつながる
受験勉強には高いモチベーションが必要です。「この学校に入学したい!」といった強い気持ちが子どもの勉強意欲を大きくし、継続的な勉強に役立ちます。
学校説明会へ参加をすると、上記で述べたように学校生活をイメージしやすくなるだけでなく、他の受験生の姿も見て、「自分は受験生だ」「受験勉強を頑張らないといけない」などと良い方向にプレッシャーが働くでしょう。受験勉強のモチベーションがアップし、志望校合格の可能性も高まります。
入試のポイントを教えてもらえる
学校説明会に参加すべき最後の理由は、入試のポイントを教えてもらえることです。学校説明会には、入試問題を作成する教員が参加することも少なくありません。
そのため説明会の中で、入試に関するポイントが話題にあがることもあるでしょう。「数学は〇〇分野を、よく復習しておいてください」「国語の記述問題では、〇〇について注意しておくことが大切です」など、直接入試につながる有益な情報を得られるかもしれません。
学校説明会以外にも参加したいイベント
学校によっては学校説明会以外にも、受験生や保護者が参加できるイベントがあります。主なものが文化祭や体育祭です。学校説明会と比べると、志望校選びに関する有益な情報が得られないように思われがちですが、そのようなことはありません。
普段の学校生活とは異なるものの、実際に通っている子どもたちの素の場面を垣間見られるチャンスとなります。楽しそうにしているか、和気あいあいとしているかなどがダイレクトに伝わってくるはずです。
学校説明会やオープンキャンパスも含めると、足を運ぶ手間はかかりますが、できるだけ参加をしてみるとよいでしょう。
学校説明会やオープンキャンパス、イベントはいつ実施している?
学校説明会やオープンキャンパス、各種イベントの開催時期は、学校ごとで異なります。以下で大まかな開催時期を解説しますが、詳細は各学校へ確認してください。
学校説明会の開催時期
学校説明会は毎年6月~12月にかけて開催されます。1年のうち数回に渡って開催しているところのほか、合同説明会と称して、複数の学校が一緒に開催しているところもあるでしょう。
秋以降に開催される説明会では、入試に関する情報が盛り込まれることが少なくありません。入試問題の傾向や対策の仕方、推薦入試の具体的な基準などが公表されるため、できる限り参加してください。
オープンキャンパスの開催時期
実際の授業や部活動を体験できるオープンキャンパスは、夏休みとなる7月~8月頃にかけて開催されます。ただし、大学の場合は7月~11月の間の開催が多く、また、通年で開催しているところもあるでしょう。
文化祭や体育祭の開催時期
文化祭や体育祭の主な開催時期は、9月~11月です。体育祭は春におこなっているところのほか、一般公開してないところもあります。
学校説明会の所要時間はどれくらい?
学校説明会にかかる時間は学校や、説明会に盛り込まれる内容によって異なります。だいたい1時間~2時間ほど見積もっておくとよいでしょう。説明会後の学校見学は、希望者のみ参加としているところもあります。
また、授業体験や部活動体験ができるオープンキャンパスの場合、1日がかりとなることも少なくありません。
学校説明会やオープンキャンパス、イベントなどで確認すべきポイント
学校説明会やオープンキャンパス、イベントへの参加を有意義なものにするためには、事前準備が欠かせません。当日に確認するべきポイントを整理しておくことで、志望校選びや入試対策において、より有益な情報を得られるようになるはずです。主に確認すべきポイントを、全部で7つ紹介します。
教育理念・指導方針
たとえば、同じ中学校や高校でも、教育理念や指導方針は学校ごとで大きく異なります。子どもの自主性を尊重する学校もあれば、校則が厳しい学校もあるでしょう。教育理念や指導方針は子どもの人格形成に大きな影響を与えるため、慎重に考えてほしいポイントです。
家庭ごとに子どもの教育をどうしたいのか、どのように育ってほしいのかなどを整理した上で、学校の教育理念・指導方針がマッチしているかどうかをチェックしてください。
生徒・先生の雰囲気
2つ目は生徒や先生の雰囲気です。毎日顔を合わせて長い期間を一緒に過ごすことになるため、子どもの性格や特性に合っているかどうかを確認してください。
生徒の身だしなみは整っているか、表情はいきいきとしているか、生徒同士の関係は良好かといったほか、実際に話しができる場合は、いろいろと聞いてみるとよいでしょう。
また、先生の雰囲気を知ることも大切です。教え方が上手かったり、質問がしやすい人柄だったりすると、子どもの学力アップが期待できます。学習指導だけでなく進度指導にも関わってくるため、しっかりと指導してもらえそうかどうかといった目線で確認してみましょう。
施設や設備
快適に勉強できる環境か、また、子どもの学習意欲を引き出して学力を向上させられる環境かを見極めるために、学校の施設や設備も要チェックポイントです。教室や図書室、実験室、学食、売店、体育館、グラウンド、プールといった施設のほか、ICT環境や冷暖房などの設備も確認してください。
図書室を見ると、学校の教育方針やある程度の通っている生徒の質がわかります。どのくらいの蔵書があるか、どのようなジャンルの本がそろっているか、本はきれいに使われているかなどを見てみましょう。
また、汚れがちなトイレがきれいに保たれているかどうかも、ぜひ見てほしい場所の一つ。トイレの使い方で、生徒の生活態度がわかります。
通学時間や学校周辺の環境
学校説明会へ行く際は、同時に通学時間がどのくらいかかるのかもチェックしてください。電車やバスに乗り換える回数が多かったり、長時間の通学時間が長かったりすると、毎日通学する子どもに大きな負担がかかるかもしれません。
また、学校周辺の環境も大切なポイントとなります。住宅街にあるのか繁華街にあるのか、治安は悪くないかなど、子どもの安全に関わる要素となるため、細かく確認しておくと安心です。
部活動や課外活動
部活動や課外活動へ対する考え方は、学校によってさまざま。たとえば、生徒は全員が必ず部活動への参加が必須だったり、土日にも部活動や課外活動がおこなわれたりすることもあるでしょう。
部活動へ参加せずに塾へ通ったり、習いごとへ通ったりすることを考えている場合、部活動や課外活動の内容について確認しておくことが大切です。
進学実績
中学校や高校の場合、進学実績も確認しておきましょう。進学先や合格者数といった表面的な情報だけでなく、具体的にどのような受験対策をしているのかをチェックすることが欠かせません。
また、大学の付属中学・高校の場合、内部進学の条件も気になる点の一つ。付属中学・高校だからといって、全員がエスカレーター式に大学へ内部進学できるとは限りません。どのような条件が必要なのか、実際に何人くらいが条件を満たして内部進学できたのかなども確認してください。
入試情報
最後は入試情報です。前述したように、学校によっては説明会で入試に関する情報を出してくれるところがあります。合否に直接影響を与えるものなので、絶対に聞き逃さないようにしましょう。
学校説明会やオープンキャンパス、イベント参加後にしておきたいこと
学校説明会やオープンキャンパス、文化祭といったイベントに参加をしたら、必ず子どもに感想や抱いた印象などを聞いてみましょう。学校のどのような点に興味を持ったのか、良いイメージを持ったのかなどを明確にさせていくことで、子どもが行きたい学校像がわかってきます。
どのような学校へ行きたいかがわかってくると、自ずと志望校選びもスムーズに進んでいくはずです。
まとめ
学校説明会では学校の教育理念や教育方針、学習カリキュラム、進路実績、入試情報などの情報を得られます。学校によっては説明会の後で、校内の見学会や個別相談会をおこなっているところもあるでしょう。
参加するときは、事前に確認しておきたポイントを明確にさせておいてください。今回紹介した7つのポイントを含めて、それぞれが気になる点を整理しておくことで、有意義な学校説明会となるはずです。
コメント